減塩してても美味しく作る工夫

ホームヘルパーの仕事の1つに食事の用意がある。高齢者の食事において、低栄養についで気をつけたいのが、減塩だ。ただし、食欲をなくすほど制限してしまうことは、避けなければならない。ホームヘルパーは薄味でも美味しく食べてもらえるように、調理の工夫が必要だ。

まず、油を使うことで料理にコクとうまみがでるため、炒めるだけでなく、煮物や汁物の仕上げにも一滴たらすのがポイントである。特に、ごま油は風味がいいので、使い勝手がいい調味料だ。醤油が少量で良いのもごま油を使う利点だ。
そして、減塩の基本にだしを使って、そのうまみで食べるというものがある。近年は、減塩を謳っただしもあり、市販のレトルト食品の中には意外と塩分量が少ないものもあるものだ。使用のときは栄養成分表示を確認して、塩分は一食あたり2gを目安にすると良い。それ以上になる場合には、具材を増やして、2回分のおかずにするなど工夫すれば問題ない。
さらに、同じ量の塩分を使っても、素材の表面に塩気があったほうが、はっきりと塩味を感じるものだ。素材全体に味をしみこませるのではなく、素材の表面に味をきかせるような調理もひとつの方法である。
加えて、献立の全てが薄味だとメリハリがなく、利用者は食事が進まない。一品だけしっかりと味をつけた料理にして、それ以外は薄味にしたり、調味料なしで食べられるトマトなどの生野菜を添えるようにするとメリハリがでる。しょうが、柚子、ねぎなどの香味食材も有効に活用すると食べやすくなるものだ。

このような工夫を凝らせば、薄味でも高齢者に美味しく食べてもらうことができるだろう。食事が美味しければ人生に彩りが出る。高齢者に楽しく過ごしてもらうためにも食事には気をつけていきたい。